~屋根・外壁塗装の専門家が語る、“長持ち塗料”の真実~
こんにちは。福島県で外壁・屋根塗装を専門に行っているヌリショウ代表の齋藤です。
今回は、お客様からもよくご質問をいただく「無機塗料」について、
専門家の視点からできるだけわかりやすく、でもしっかりと本質をお伝えしたいと思います。

■ 無機塗料とは?
無機塗料というのは、その名のとおり
「無機物(石や鉱物など自然界にある物質)」を主成分にして作られた塗料です。
例えば、ガラスの原料になるケイ素(シリカ)などが使われていて、
紫外線や熱に非常に強いのが特徴です。
ただ、完全な無機物だけでは塗料として固まりませんので、
実際には有機成分と無機成分のハイブリッドでできています。
だから「完全無機」ではなく、「高無機ハイブリッド塗料」と表現されることもあります。
■ 施工後、どんな効果があるのか?
◎ 圧倒的な耐久性
無機塗料の一番の強みはやはり耐候性です。紫外線に強く、
チョーキング(粉吹き)現象も起こりにくいため、15年~20年、製品によっては25年と、かなり長持ちします。
◎ 汚れがつきにくく、キレイが続く
無機塗料には親水性という性質があります。
これは、表面に付いた汚れを雨水が流しやすくする効果で、雨が降るたびに軽く洗浄してくれるようなイメージです。
そのため、黒ずみや排ガス汚れ、苔・カビの発生が非常に少なく、見た目が美しいまま長持ちします。
◎ 防火性も高い
塗膜に炭素をほとんど含まないため、燃えにくいという特性も持っています。住宅密集地にお住まいの方や、防災意識の高い方にとっては、安心材料のひとつです。
■ 無機塗料のメリットまとめ
・紫外線・風雨・熱に強く、劣化しにくい
・低汚染性
・汚れが付きにくく、セルフクリーニング効果
・防カビ・防藻性
・有機物が少ないため、カビ・コケが発生しにくい
・防火性
・燃えにくく、防災にも一役買う
・メンテナンス性
・塗り替えサイクルが長く、費用負担が減る
■ でも、いいことばかりじゃない? デメリットもちゃんと伝えます
私たちは職人なので、「売れるからおすすめする」ことはしません。無機塗料には確かに弱点もあります。
△ 初期コストが高い
最も大きなデメリットは価格が高いことです。
一般的なシリコン塗料と比べると、1.5倍前後のコストになることもあります。
とはいえ、塗り替え回数が減る分、長期的にはコストパフォーマンスが良いとも言えます。
△ 柔軟性が低く、ひび割れに弱い
無機成分は硬いため、地震などで建物が動いたとき、追従性が低く塗膜が割れることも。
これを防ぐためには、下地処理と補修、塗料選定、職人の技術がとても重要です。
△ 施工に高度な技術が必要
無機塗料は扱いが難しく、職人の腕が結果に大きく影響します。
メーカー基準を守った塗布量・乾燥時間・下塗りとの相性をしっかりと管理できる業者を選ばないと、
本来の性能は発揮されません。
■ 結局、おすすめなの?
私の答えはこうです。
●「長く住みたい家」「塗り替えはなるべく少なくしたい」
●「外観の美しさを保ちたい」
●「安さよりも、性能重視」
こういったお客様には、無機塗料はとてもおすすめできます。
一方で、
●「予算をとにかく抑えたい」
●「10年後には建て替える予定がある」
このような場合は、シリコン等の方が現実的かもしれません。
■ 最後に:選ぶ前に、“家の状態”を知ること
無機塗料は確かに優れた塗料です。しかし、それを本当に活かせるかどうかは、“今のお住まいの状態”によって変わります。
ひび割れが多い壁に、柔軟性のない塗料を塗ってしまえば、逆にトラブルの元になりかねません。
ヌリショウでは、診断・見積もりは無料で行っております。
無機塗料に興味のある方は、まずはお住まいの状態をしっかり確認したうえで、ご提案いたします。
お問い合わせはお気軽に
ご相談だけでも大歓迎です。
「どの塗料がうちに合ってるの?」といったお悩みに、専門家として丁寧にお応えします。